Sulfolobus tokodaii由来ファミリー4 ウラシルDNAグリコシラーゼ(UDG)の研究

UDG構造

図1 シトシンの脱アミノ化とUDGによる塩基除去機構

DNAを構成する塩基はグアニン、シトシン、アデニン、チミンの4種類だが、紫外線や放射線、活性酸素種など様々な要因により他の塩基が含まれてしまう場合がある。中でも、ウラシルは、シトシンの脱アミノ化によって生じる。このシトシンの脱アミノ化反応は生体内で自然発生していて、ウラシルが存在したままではアデニンと塩基対を形成していまうため、修復されずにDNAの複製が実施されるとG:C→A:Tの点突然変異の原因となってしまう。また、シトシンの脱アミノ化は酵素によって生じる場合があり、これらは抗体の多様性やウィルスの侵入を防ぐ手段など、生体防御の要として利用されていることが知られている。そして、いずれの場合においてもDNA中に生じたウラシルは、ウラシルDNAグリコシラーゼ(UDG)と呼ばれる酵素によって塩基部分が除去され、適切な生体内反応が開始される。

我々は好熱性古細菌Sulfolobus tokodaii由来ファミリー4 UDG(stoUDG)の結晶化に成功し、古細菌由来UDGとしては世界初となる立体構造を1.7 Å分解能で解明した。そして、酵素の全体構造やウラシル塩基の認識機構は他の生物種に存在するUDGと似ていていることを明らかにした。さらに、stoUDGはDNA結合時に重要なleucine-intercalation loopの構造に特徴があることを見出した。そして、変異体実験、DNA結合実験を行った結果、このleucine-intercalation loopに存在するTyr170がDNA結合に重要であること解明した。

※ 本研究は熊薬研究助成会の助成を受けました。

PDB ID; 4zbx, 4zby, 4zbz

Akito Kawai, et al., FEBS Lett., 589, 2675-2682 (2015) [PubMed]

Akito Kawai, et al., Acta Crystallogr. sect. F Struct. Biol. Cryst. Commun., 68, 1102-1105 (2012) [PubMed]

Biophysical Chemistry