初年度教育などに関する薬学部の取り組み(メモ)

薬学部分子遺伝学研究室 森

 

1.「薬学基礎演習」(1単位、必修)による高校教育の補習授業(リメディアル教育)

1年次前期に「物理学」「化学」「生物学」の補完授業を行う。講師は元高校教員。講義に加えてe-learningを利用する。学生に好評である。

 

2.「薬学概論」による薬学の導入授業

 各教授が1回ずつ担当し、薬学に関するいろいろな課題について講義する。1年生が多くの教授とその専門分野を知るよい機会となっている。

 

3.1年次前期にベテラン教員を配置する

 入学時に勉強の大切さ、面白さ、勉強方法などを教え込むことが極めて大切である。1年次前期から教育熱心で指導力のあるベテラン教員を複数配置し、勉強の大切さや面白さを繰り返し教え込む。授業でしっかり学習するとともに、自学する習慣をつけさせる。実際には担当教員が連絡を取り合いながら学生をエンカレッジしている。

 

4.「早期体験学習」の実施

 1年時の「早期体験学習」(1単位、必修)で、数日間の病院・薬局などを訪問、見学し、薬剤師業務を理解するとともに、医療人として基本となる態度や礼儀を取得し、コミュニケーションの大切さを体得する。学習したことをグループごとに発表するとともに、報告書を作成する。

 

5.健康管理の教育と指導(資料@)

 授業や自学に集中するためには、生活の正しいリズムを作り、心身ともに健康を保つことが重要である。入学時研修における指導に加えて、入学後すぐに「健康と栄養」などについて専門教員による講義を行う。実際には、「生物学II」の最初の2時間を使って行っており、学生の意識の向上が見られる。また、「学生健康支援委員会」を設置し、学生の健康相談、支援を行っている。

 

6.チューター制の採用

 全教員が学年ごとに4~5名の学生を担当し、勉強や生活などの相談に乗り支援する制度を作っている。一定の効果をあげているが、チューターグループ間の熱意の差が問題。また、女性のからなる「学習支援センター」を設置し、女子学生の学習や生活、健康などの支援を行っている。

 

7.オフィスアワーの設置

 全教員がオフィスアワーを設置している。

 

 

8.魅力ある授業を行い、厳しく評価する

 魅力ある授業にむけて努力するとともに、評価を厳しく行う。一定のレベルに達しない場合は不合格とする。この場合、評価方法が問題になる。適正な試験問題を作成するとともに、その質をチェックするシステムを作る(検討中)。どうしても薬学に興味を持てない学生は、進路の変更などを考慮するよう指導する(検討中)これからは、このような大学が評価される。

 

[参考:大学終了率の国際比較]

OECD25か国中、日本は1位(91%)! 2位デンマーク(81%)、3位イギリス(79%)、4位ドイツ(77%)、..........、24位アメリカ(56%)、25位イタリア(45%)、OECD平均(69%)。崇城大学は89%。

 

9.情報の共有

 学生の成績や健康状態、注意を要する学生などを含め、学生の教育やFDに関する情報を、主にHPやメールを使って共有するように努めている。たとえば、「シリーズ 授業改善のヒント」など。

 

10.学生による授業評価

 全学の授業アンケートとほぼ同じ内容のアンケートを行い、結果を薬学部制作ホームページに掲載している。教員、学生に加えて、保護者も閲覧できる。

 

11.教員相互の授業参観

 平成21年9月~12月 教員44名中20名(合計40回)。

 

 

[おまけ:授業改善のヒント]

(薬学部制作HP→分子遺伝学研究室HPの「授業改善のヒント」をご覧ください)

 

1.大学教員は教育のプロである。

2.教育(若い人を育てること)は大切で、やりがいのある仕事である。

3.学生にとって勉強(知的好奇心を満足させること)は楽しい。

4.授業は楽しい。よい授業には準備と工夫が必要である。教育業績の評価が必須である。

5.ときには頭の切り替え(意識改革)が必要である。

6.教員が熱くならないと、学生は熱くならない。

7.「自分が学生ならどんな授業を受けたいか」想像する。

8.大クラスでの双方向性授業の試み(資料A)。

 

(以上)

2010.1.28